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ロックシュリンプの飼い方


4.土を食ってでも


水槽に入れられたロックシュリンプは、環境に慣れ、落ち着いてくると、
濾過機の出水口などの流れの速い場所に陣取り、4本の「手」のように見える第一・
第二胸脚に付いたネットを流れに向けて広げる特異のポーズで、じっと餌を待つ
ようになります。
そして4本を順番に口に運び、本来はネットに入っているであろう餌を食べる動作を
繰り返します。
しかし、熱帯魚の居る通常の水槽の水には彼等を充分に養う餌は含まれませんし、
「偶然」に頼っている程度の採餌では本来大食いの彼等の生命は維持できません。
このままでは彼らはやがて衰弱して死んでしまうわけですが、
彼らも、ただ黙って死んでいく訳ではありません。

良く観察してみると、あまりに餌が手に入らない空腹状態になったロックシュリンプは、
あちこちと歩き回り、さかんにそのネットで砂利の表面などをつかんでは口に持っていく
という行動をするようになります。
この行動は「死ぬよりは、土を食ってでも生き延びる」という末期的な状態であるため、
こうした行動をしているのを放置すると、本当に死んでしまいます。

彼等は前述したとおり、ネットの触覚に頼って餌をつかんでいる訳ではないため、
すぐそばに落ちている餌にも気付かずに通り過ぎてしまいます。
そのような状態でも、やはり「偶然」にネットに入った餌を食べているだけなのです。
スジエビやザリガニなどが、ピンセットにエサ探知機の付いたような手足で、
砂利の間に落ちた細かい餌までも器用に拾い上げて食べるのとは大違いです。
掴んだ物が餌かどうかを判別するのは、口の周辺にある感覚器官のようで、
胸脚の方は掴んだ物を手当たりしだい口に運ぶというかたちになります。
スジエビやザリガニなどは空腹になると水草やコケ、あるいは流木にまで噛り付きますが、
あくまで上品な彼等はそういうワイルドな食事方法も持ち合わせていません。
穴を掘って餌を探すなんて事もありません。

「コケ取り」でおなじみのヤマトヌマエビ等のヌマエビ類の大型化した種類ですので、
基本的に第一、第二胸脚で餌を集めるしかないようで、まず噛り付くということはありません
(脱皮に失敗して手が全て取れてしまった場合を除く⇒後述)。
しかも、ヤマトヌマエビやビーシュリンプは、プレコ用の餌に集まって少しずつ
削りながら食べたり、砕いた金魚の餌などを上手に抱えながら少しずつ食べますが、
ロックシュリンプの特殊な形状の胸脚ではそれもできないため、
大きな餌を与えても崩しながら食べることもできません。
当然ながら、ヤマトヌマエビのようにコケを流木や水草からむしり取って食べるなんて
事もできません。
「ヤマトヌマエビが飼えるから、ロックシュリンプも飼える」とはいかないのです。

しかし、ぎりぎりまで餌が無ければ探すようにはなるわけで、この行動からヒントを得て、
なんとかこの「のんびり屋さん」をうまく飼うことができるようになりました。

 

(2002年8月3日作成)


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