ロックシュリンプの飼い方


2.水槽の水に餌は無し


自然界でのロックシュリンプは、第一・第二胸脚に付いた特異な形状の「ネット」を広げ、
そこへ川の上流から勝手に流れて引っ掛かってくる餌を食べているようです。
彼等は適当な流れのある所にふんばっているだけで餌を食べられるという、
極めて省エネな採餌スタイルを持っているわけです。
自分の足で歩き回って探さなくとも、受動的に川の流れに頼っていれば、
生命を維持できるわけです。
水槽の中でも、彼等は上部濾過器などの出水口から落ちてくる水流に向かって、
4本の手についたネットを広げているのが観察できるでしょう。

豊かな自然の川に居るぶんには、十分に満腹になるほどの餌が流れてくるでしょうが、
水槽の中ではそうはいきません。
狭い水槽で生物を飼う場合の常識ですが、水槽の水質を良い状態に維持するには、
一回に与える餌は、数分で食べ尽くせるだけの量しか与えないのが基本です。
魚などに食べられなかった残餌は、腐って、水質を悪くするからです。
つまり、ロックシュリンプにとって水槽の水は、彼等がおなかをいっぱいにできる
ほどの餌を含んだ水ではないという状態が通常なのです。
ですから、彼等がいくら長時間その特異な形態の「手」を広げて餌を待っていても、
飢えてしまうだけです。
濾過器からの水では猶の事綺麗な水しか出てきませんから尚更です。
熱帯魚の水槽に入れられたロックシュリンプが段々元気が無くなって
衰弱して死んでしまうのは、おそらくこんな状態だからでしょう。
本来、ザリガニ並みの大食漢である彼等には、あまりに可哀相な環境です。
太ってそうなシジミやアサリを味噌汁に入れたら、貝殻に比べて物凄く身が小さかったり、
茹でたカニの身が悲しくなるほど細かったりする場合があるのと同じように、
死んでしまったロックシュリンプも中身は痩せているはずです。
外骨格生物は、見た目に痩せた事が分からないだけに手遅れになる場合が多いのです。

魚と競争して餌を奪い合うような生き物なら熱帯魚との飼育も楽なのですが、
あまりに特異な採餌方法と積極的に餌を追うことの無いのんびりした彼等を飼うには
熱帯魚を飼う方法とは違った特別な飼育方法が必要です。

(2002年6月16日作成)


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