
昆布の表面を摘み取って食べているCRS。
CRSは基質に付着する藻類、微生物などを4本の「手」を交互に使って基質から掴み取って食べます。
引っ張る時に自分の体の方が「前のめり」にならないように、顎脚をつっかえ棒として使います。
この為、付着生物を主食とするヌマエビ類の顎脚は共通して長いです。
(真ん中に揃えて出している2本が顎脚)
この顎脚には内側に特に多く毛が生えていて、餌を挟んで保持する事が出来ます。
小さな粒状の餌は、これで持ち逃げして一匹でゆっくり食べています。
ヒゲや顔全体を、この毛の生えた部分で頻繁に擦って掃除するのも観察されます。

顎脚と鋏脚を上手に使ってソイルの粒をくるくると回し、
その表面を余すとこなく摘んで食べるのも得意技の一つ。
ソイルの表面に付着している微生物の膜(バイオフィルム)を食べている様です。
鋏脚は多数の関節で出来ていて、実に器用。
先の部分には毛束というたくさんの毛が生えたブラシ状の部分があって、
これで物の表面という表面を磨き上げていきます。

ヌマエビ類といえば「コケ取り」というイメージが強いですが、
水草の表面をツマツマしている=コケを食べている、という単純なことではなく、
実際は動物性の食べ物も結構食べているものと推測されます。
水草についたツリガネムシや小さな付着性の微生物をついばんでいるものと思います。
水槽に個体数が少ない場合は、これらの「とれたて新鮮魚介類」を食べて満腹しているので、乾き物には興味を示しません。
実際、小型のヌマエビ類の居ない水槽では、水草の縁にツリガネムシが多数見られるものですが、
ヌマエビ類を投入するとこれらの生き物は消えてしまいます。
ロックシュリンプ水槽ではロックシュリンプの体表にまでツリガネムシがいっぱい付着している状態になったりもしますから、
CRSはコケに限らず、いろんな微生物を常時摂取しているのでしょう。

左の赤くて細い二本が顎脚。
真ん中の「カニつめ」のようなのが一番目の鋏脚(第一胸脚)。
右の柄の長いはさみが二番目の鋏脚(第二胸脚)。
通常のちょっとしたツマツマ(採餌行動の動きからこう呼ぶ)には長い第二胸脚を使うことが多いようです。
ソイルの隙間に深く差し込んで有機物を引っ張り出して食べるのにも重宝する長さです。
太い第一胸脚は、やや力仕事用なようです。
固い餌や、なかなか剥がれない餌を引き剥がすのに使っています。
これらの鋏脚は非常に大事にしていて、仲間同士のケンカで殴り合う場合には、
きっちり重ねてヒゲの下に隠し、第三胸脚(歩く足の一番前の足)で殴り合います。
ザリガニやテナガエビ、スジエビのようにハサミを武器として使って戦うことはしません。
2006・02・23 更新
2006・03・13 写真差し替え、鋏脚のアップ追加